「取締役として、企業に入るのも良いですか?」

【社労士開業予備校では、何でも正直にお答えしています。】

ある開業らしい社会保険労務士の先生から、ご相談を受けました。エッセンスコースの修了生さんではございませんが、何か?
「ホームページをご覧になった企業様から『社外取締役として契約したい』と言われています。取締役として企業内に入っても良いのでしょうか?」
(ざっとこんな内容です。返事をする義務はありませんが、一応返事をしました。)

いちおう、取締役の責任について引用させていただきます。
▶産業創造館:会社の取締役の責任にはどのようなものがありますか?

会社に対する責任と第三者(株主、会社債権者ら)に対する責任とがあります。
【会社に対する責任】
 取締役と会社との関係は委任契約関係です。従って、取締役は会社に対して善良なる管理者に期待されるべき注意義務を負います。また法令、定款、総会決議を守り、職務を忠実に遂行する義務も負います。会社との競業に関する規制や利益が相反する取引に関する規制もあります。
 会社法では第423条で「その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と定められています。

【第三者(株主、会社債権者ら)に対する責任】
 取締役と会社は契約関係にありますが、取引先とは直接契約関係に立たないのですから普通に考えると責任を負わないようにも思えます。しかし、会社法(第429条)には、取締役がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任があると規定されています。損害には取締役の職務執行により直接に第三者が被った損害(直接損害)だけでなく、例えば取締役の放漫経営で会社が倒産した場合に会社債権者が被った損害(間接損害)も含まれます。
 会社が倒産した場合、会社や代表取締役個人にはもはや差押すべき資産が無い場合が多いです。そこで、会社債権者としては、平取締役の資産から債権回収できないかを検討することになります。その際に利用されるのが、この責任です。

社労士開業予備校:「取締役として、企業に入るのも良いですか?」

きっと企業から「社外取締役になってくれ」と言われて嬉しかったのでしょうか。取締役としての責任があることを認識していなかったようです。

対して、いわゆる顧問契約であれば業務の範囲と報酬によって責任の範囲がだいたい決められます。税法の扱いで言うと顧問報酬は売上げ(役員報酬は給与=給与所得控除が使える)、消費税にも影響します。賠償責任保険で言うと、顧問契約は原則カバーできることが多い(取締役なら、賠責保険は別の保険が必要)。

注意:社会保険も常勤扱いなら加入できますが、社外取締役なので非常勤扱いでしょうから、たぶん加入できないかと。法人税法の扱いも確認しておく方が安心です。

開業社労士さん、曰く「自分で判断するしかないですね」と。

まあ、当たり前です。
全て自分の判断、責任において行動する、それが自営業です。


合同事務所・共同事務所

令和5年6年に開業をお考えの方、合同事務所・共同事務所についてお気軽にご相談ください。テレワーク完全対応の格安プランも提供中。

社会保険労務士・行政書士とも、開業等を予定している2か月ほど前にはご相談いただく方がバタバタせずに良いと思います。残席ですが、専用デスクはお早めのお申し込みが良い状況です。共用デスクは、まだまだ大丈夫です。

社労士開業予備校

社労士資格活用講座は、8月から開講しています。無料ですが、要申込みです。レジュメ資料だけご希望の方は、▶こちらから。

エッセンスコースは、2024年1月から開講します。
エッセンスコースは、お申し込みできます。早期割引使ってください。

SR-CLUB勉強会

社会保険労務士と、人事労務にご興味を持つ士業の勉強会です。遠隔地の方も、ZOOMでオンライン参加できます。令和5年試験合格者の方もどうぞ!
次回は、12月16日です。

a:303 t:1 y:2