任意継続の手続きは、顧問社会保険労務士のお仕事?

【社労士開業予備校では、実務をバサッと斬ってみます。】

とある開業社会保険労務士から電話が入りました。
「お客様とトラブルになっています。」
分からん。。。。。
「退職者の手続きで、行き違いになっています。」
早、肝心な部分を言えっての、、、、、
「任意継続の手続きをしていなくて、20日が過ぎてしまったんです。」
それは、事実であって何がトラブル?????

▶協会けんぽ:任意継続の加入手続きについて
(全国健康保険協会ホーム>よくある質問>健康保険任意継続制度(退職後の健康保険)について>任意継続の加入手続きについて)

事実としては、次のようなところ。

  • 手続きの顧問契約を結んでいる
  • 退職者が出て、その資格喪失手続きは行った
  • 退職者が任意継続できる期間を過ぎて、クレームとなった
  • 顧問先は顧問社労士が全て任継の手続きを代行したものと思い込んだ
  • 顧問先からも説明を求められている

社労士開業予備校:任意継続の手続きは、顧問社会保険労務士のお仕事?

任意継続被保険者の手続きは、社会保険労務士の仕事である。社会保険労務士法別表第一に健康保険法があることから明白。ただし、申請人は退職者本人。一部の健保組合を除き、退職後しか任継の手続きはできない。

相談者が顧問契約を結んでいるのは、企業と。退職後しか資格喪失手続きはできないが、申請者は企業であって、通常は顧問契約を根拠に顧問社会保険労務士が手続きを代行する。(包括委任)

今回、冒頭の開業社会保険労務士と退職者は、任継申請の委任契約を行っていない。口頭でも行っていない。

であれば、任意継続の手続きを顧問社労士が行うことはできない。申請自体は法令に基づいているので、知っているはず(知らなくても、建前上は官報に掲載された時点で)。

その開業社労士曰く
「いや、協会けんぽや社労士会とかにクレーム入れるとか、弁護士会で相談するとか、退職者の方が言ってるので…。」

顧問契約の内容が全て

最近、手続きの顧問契約をする際には、契約書に次のような内容を入れています。
「ただし、従業員(被保険者でも)(遺族を含む)が申請者となる手続きは除く。」

健康保険の給付はもちろん、厚生年金保険の裁定請求も「除く」ことに。労災保険も被災者が申請人なので、顧問契約から「除く」ことになります、上の規定では。「労働者災害補償保険法に基づく給付に関する手続。(第三者行為災害を除く)」だと、困る場面が出てくるかと。

このあたり、社会保険労務士の業務委託契約書って業務範囲がどうとでも読めるというか、アバウトというか。実際「健康保険法・厚生年金保険法に基づく被保険者資格取得・喪失に関連する手続」だと、任意継続の資格取得も含むように見えるけど? ひねくれすぎ?

まあ、顧問契約の範囲なんて、各開業社労士によって違うわけで「これだ」とは言えませんが。

●顧問契約の締結・解除の時も
顧問契約を締結いただくと、始期よりも前の得喪手続きを言われることもあります。解除の時も、終期を過ぎて手続きをしろと言われる可能性も。例えば、7月末契約解除、7月末退職者の手続きをしろ。自分だと契約期間が過ぎているので権限ないので代行できません、と言うかな。

原因発生日うんぬんも書いておく方が良いのでしょうかねえ…。

クレームを入れられたら

なんとも。。。。。

ただ、私なら退職者と委任契約を結んでいないので、そもそもうんぬん。無権代理ならぬ、無権代行はさすがにできません。

顧問社労士をターゲットに損害賠償を求める?
いや、そこに費用を使うのなら、国保にさっと入るなりした方が良いでしょうか。

まあ、顧問先様との関係が大丈夫なのか不安になります。
そう、そこだけです。


※守秘義務の関係で、脚色しています。


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