インボイス制度の対応、もちろん開業社労士向け
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来年令和5年10月から始まるインボイス制度。すでにご存じの方、関係ないと思っている方、兼業・副業を考えている方、ほぼ全ての方が考えないといけないことです。
資料については、本家の資料が一番信頼できます。
▶国税庁:インボイス制度の概要
▶国税庁:特集インボイス制度
企業内で開業しないことを決めている社会保険労務士には関係ないと言って良いでしょう。経理関係をやっていれば関係しますが、主体ではないですから。それ以外の社会保険労務士は全て関係します。
ただし、このページで書くのは、売上げ(年商)5000万円以下の個人事務所(個人事業)の場合に限らせていただきます。年商5千万円を超える先生(本則課税)なら、税理士さんも付いているでしょうから、こんなブログ記事を読む必要はありません。社会保険労務士法人さんも、法人税の申告を税理士さんに頼んでいるでしょ。
以下、税理士でない社会保険労務士がテキトーに書き連ねたメモです。責任は一切持てません。間違っていたら教えてください!
インボイス制度
商社や貿易関係にお勤めだった社会保険労務士なら、「インボイスって、なんか違う感じもする」とお思いかも知れません。
「インボイス=適格請求書」
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータをいいます。(国税庁から)
概要については、国税庁のリーフレット、手引きなどで必ず確認しておきましょう。Youtubeにも税理士の先生方がインボイス制度について動画をアップしています。動画を探す際は、新しいかどうか。知り合いの税理士によると「インボイス制度のQAなんかは毎月変わっている」そうです。
パターン別
開業して2年以内
開業して2年以内なら「免税事業者」は変わりません。来年10月から6年間は経過措置があります(残っているというのが正しいらしい)。それ以後は使えなくなります。
開業して間がないことを理解した上で、例えば顧問契約をいただいた場合などは免税事業者のメリットを使いましょう。交渉の場で「先生、インボイスは?」と訊かれた場合は…。
開業後数年以上経ったが年商1千万円以下
この社会保険労務士が一番悩むと思います。ただ「年商1000万円以下なら免税事業者」も変わりません。
- 顧問先から、どのような対応をされるのか
顧問先に伺わないと分かりません。 - デザイナーやフォトグラファーなどの外注さんが多い企業
親しい税理士先生曰く「面倒だから、インボイスに登録してもらいたい」「経過措置なんて面倒なので、免税事業者は全員消費税分を請求しないで欲しい」 - 障害年金等個人相手の場合
インボイス制度に登録する必要は無いかも。
●令和4年11月23日(水)追記:先週お目にかかった税理士先生曰く「インボイス制度に登録しない免税事業者は全部契約解除するように、顧問先にアドバイスしている」。
売上げが1千万円を超えている場合
消費税を納税されていると思います。ただ、インボイスの登録番号が必要になりますので、登録は必要です。
簡易課税を選択されているでしょうし、まあ早めにインボイス制度の届をしても問題ないでしょうね。
兼業・副業で社会保険労務士をしたい
会社員の副業でもインボイスをどうするのか考える必要があります。
今は経過措置で誤魔化せても、今後どうします?
(「今、副業社労士なので、売上げ1千万円ないですし、スミマセン」で済ませることはできると思いますけど。兼業・副業でやっていることが分かっていれば、そういうフレーズが使えますよ。)
お客様が年商5千万円以下しかいない
そういう開業社会保険労務士の先生はいないと思いますが、こういう特殊な状況なら、免税事業者ならそのままで良いかも。
飲食店とか介護関係とか、業種的にも限定されますが、ありえないことでもありません。
手続きなど
年商1千万円以下の開業社会保険労務士が、インボイス制度に登録、課税事業者を選択することを前提に考えます。
令和5年3月末までにインボイス制度の登録をします。
(親しい税理士先生は、3月末ギリギリで良いんじゃない、と言うことでした。)
課税期間は、令和5年1月1日から12月31日までと書きます。
(10月からですが、1月1日からと書くそうです。このあたりの理屈は分かりません。間違ってるかも~)
そして、簡易課税を選択します。50%も経費使わないでしょうから、簡易課税の方が楽です、絶対楽ですし簡単です。本則課税の話しを聞いてもややこしく感じるだけです。仕入税額控除なんて、私には関係ありません!
(簡易課税選択の特例を使います。)
消費税額は年商600万円、消費税60万円の計660万円の場合
660万円×(100%-50%)×10%=33万円
33万円を消費税として納税します。
ただし、令和5年は10月~なので、青色申告決算書の「月別売上(収入)金額及び仕入金額」の10月から12月までの売上げ計から消費税額を算出します。ですので、ざっと4分の1の8万円9万円。上記年商660万円の場合。
苦しいのは、令和6年分の申告からでしょうか。
それと還付される所得税と納税する消費税は相殺(充当)できます。社会保険労務士なら源泉されるのが原則なので、春のボーナス(還付の所得税)がなくなる・減る、そんなイメージでしょうか。
(充当には、申出書が必要です。)
お客様に向けての手続き
インボイスの登録番号をお知らせする必要があります。
- (毎月)請求書を発行している場合
適格請求書を送れば良いので、特別な手続きは不要 - 口座振替や契約書に基づいて支払を受けている場合
何らかの方法で、インボイスの登録番号を通知する必要があります。委託契約の変更契約、覚え書きが上げられているケースが多いようですが、通知書で構いません。
(令和4年11月25日(金)追記:「通知する根拠は?」って訊いてくる方がいるんです。法令で確認してください。通知等しなければ取引先が困るだけだと思いますが。ややこしいヤツ!)
令和5年10月以降に契約した場合は、インボイスの登録番号等を含めた契約書で締結しなさい、とありますが、まだ契約書までは確認していません…。
お客様からは「○月までにインボイスの登録番号教えてくださいね~」とか「免税なら、お話ししましょうね」とか、連絡があると思います。コワ~!
追記:令和4年11月11日(金)13時過ぎ
お客様から「いつもと内容違うんですけど」と、インボイスの件で電話連絡が来ました。「ゴニョゴニョです」と言うと、安心されていました。タイミングがジャストすぎます。「適格請求書発行事業登録番号のご案内とご依頼」でGoogleフォームに入力してくださいって。
インボイス制度の登録をしない
免税事業者のまま何もせず、ほったらかし状態と言えば良いでしょうか。
いろいろ伺ったり目にしたモノには、このように書いてありました。
1)取り引きを解除される
2)消費税分の値引きを要求される
3)経過措置の間は、そのまま
1)は分かりやすいです。
2)は、控除できないので、消費税分の請求を認めないとか。
3)は、結構ネット記事には書いています。令和5年10月からの6年間の間に何とか対応を考えろ、と。
1)は全ての取引先が同じ扱いをするならば売上げゼロ、2)は約9%の売上げ減(消費税10%分)、3)は取りあえず何も変わらず、です。ちなみに、消費税を納税すれば実質的な手取りは、5%以上減ります。
どれを選択するのか、逆に選択の余地はあるのか、いかがでしょう。一番良いのは、年商1千万円を超えるように営業・顧客開拓を行うことです。
●令和4年11月25日(金)追記:独禁法・下請法などの法令違反になる場合は、こちらを参考にしてください。(Q7 仕入先である免税事業者との取引について、インボイス制度の実施を契機として取引条件を見直すことを検討していますが、独占禁止法などの上ではどのような行為が問題となりますか。)
▶公正取引委員会:免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A
おまけ
接待に使う飲食店、会社経費で乗るタクシー、こういうのを聞くとシビアだなあとも。
先日インボイス制度のセミナーに参加した際、講師の税理士先生が「タクシーの表示灯で、インボイスの有る無しを色分けする計画もある」というのを聞いてゾッとしました。
消費税を控除できないから、インボイスを発行してもらえない飲食店やタクシーは使わないことも想像できるって。へーって感じです。
追加の情報
- 令和4年11月21日(月)の日本経済新聞から
政府・与党は消費税の税率や税額を請求書に正確に記載・保存する「インボイス制度」で、フリーランスなど小規模事業者の新たな負担軽減策を設ける調整に入った。納税を免除されてきた事業者が課税事業者にかわる際、納税額を売上時に受け取る消費税の2割に抑える。2023年10月から3年間の措置で円滑な制度導入をめざす。
(簡易課税で年商660万円時の納税額33万円の場合、その2割とするので66,000円。令和5年分は16,000円ほどなので、3年間は助かるかも。解釈間違ってたらスミマセン。間違っていました。)
(令和4年11月22日(火)追記:ん?660万円×10%=66万円が売上税額、の20%なので132,000円ですか。こっちが正解。令和5年分はだいたい3万円4万円です。) - 令和5年3月2日(木)追記
▶財務省:インボイス制度の負担軽減措置(案)のよくある質問とその回答 - 令和5年3月7日(火)追記
簡易課税の申し出は、急がなくて良いようです。 - 令和5年4月5日(水)追記
インボイスの登録は、10月1日に間に合わせるには、9月30日までに登録すればOK。ただ、お客様からの「インボイスの登録番号、教えて」はもう来てますから。もう今以上の特例・例外はなさそうなので、登録するなら早め、かな。 - 令和5年4月13日(木)追記
最近Youtubeを見ていると「インボイス、登録しないで良い(少なくとも3年間は)」という税理士先生が増えていますね。 - 令和5年9月6日(水)追記
何だかんだ、雇用調整助成金で儲けた先生方が多いのか、コロナ禍前から開業している場合は「インボイス? 課税事業者やし」みたいな反応が多いです。
合同事務所・共同事務所
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社会保険労務士・行政書士とも、開業等を予定している2か月ほど前にはご相談いただく方がバタバタせずに良いと思います。残席ですが、専用デスクはお早めのお申し込みが良い状況です。共用デスクは、まだまだ大丈夫です。
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直前申し込みでも大丈夫です。
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次回は、12月17日です。
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