労働基準監督官の臨検そして出頭

【社労士開業予備校では、社会保険労務士の実務に役立つ、参考になる情報を提供します。】

今週、社会保険労務士事務所のお客様に、労働基準監督官の臨検がありました。お客様から、「すぐ来て欲しい」と電話がありましたが、別件の打ち合わせ中、行けるはずもありません。書類やタイムカードを見せて良いのか質問をされたのですが、もちろん「そのまま、出してください」。

その翌日、臨検の結果を伺いました。

まあ、予想通りというか、担当部長がいらっしゃるまでに指摘項目をリストアップしたのですが、全部当たっていました。数年前に、臨検を受けた時と同じ項目もチラホラ。「長時間労働、過重労働」の指摘も…。

悪意は全く無い企業様なのですが、「善意の行動が裏目に出る」パターンです。

その一例が夜食。
○時間、残業すれば夜食が出ます。1食1000円までで、外食もコンビニ飯でもOK。
その結果、最低でも○時間残業するぞ→夜食食べたからには1,2時間は残業しなきゃ→夕食代が浮いた(とくに独身者、お酒を飲まない者)。この悪循環、1日4,5時間残業されれば、毎月80時間,100時間の残業時間累計なんて、あっという間。

施設管理権の話しは、担当部長とは少なくとも会うたびに伝えていたので、臨検の報告を受けた時も「いつも言われてますね」と。

残業伺いの制度もありますが、臨検の際に伝えるのを忘れてしまった、そうです。もちろん、就業規則でも規定しており、オンプレで管理されております。

救いだったのは、監督官の言葉。
(担当部長の口から聞きましたので、間接的ではありますが。)
「就業規則と賃金規程は、文句の付けようが無いくらい、キレイにできていますね。」
ここまでは、良いですね。
その後の言葉が、問題~
「残業時間の隠蔽、偽装に手を貸してるのは、顧問社会保険労務士さんでは?」と。
↑ オイオイ!
↑ 伝聞なので確定ではありませんが、こういう言い方をしたのなら、社会保険労務士会的にも問題では?
↑ よく考えたら、隠蔽・偽装していたら、36協定の範囲内に納めますよね。。。。。

残念ながら、社内のシステムにまで口出しできるほどの顧問料はいただいておりません。

と言うことで、私も来週顧問先様の担当部長と某労働基準監督署に是正勧告書をもらいに行きます。顧問社会保険労務士を連れて来い、の意味は上記とは別の意味でも何となく分かります…。

まだ、算定基礎届の書類が届いていないお客様が、約半数。
数的には少ないとは言え、届かないのであれば、何とも仕事のしようがありません。

まあ、臨検されたお客様の就業規則、賃金規程に問題が無かったようなので、それだけで十分です。社長様などの経営陣は、別個にお金を払っている規程類の方の出来、そっちの方を気にされますので。

※守秘義務の関係で脚色しています。就業規則・賃金規程は、指摘のしようがないほどキレイにできている部分は、脚色していません。って、普通に実態に合わせて規定を書いただけです。事実をそのまま規定に落とし込む、これが社会保険労務士の仕事です。

出頭改め追加の調査

【この項目、2017年7月15日追記】

実は、出頭はせずに、追加の調査に。要するに、先週前回の調査が不十分であったこと。そのため、私も同席の上、お客様の会社へ。

是正項目の確認は、顧問社会保険労務士の業務範囲が分からなかったようで、私社会保険労務士に。書類は、就業規則類しか担当しておらず、通常の社内書類は全てお客様が行っている、労務相談顧問の契約ですから。

この翌日、担当部長が是正勧告書を受け取りに労働基準監督署へ伺ったのですが、その席での言葉「社会保険労務士から、ちゃんと労務の指導をされていました?」と。偽装とか隠蔽とかするわけが無いのに、こんな質問もするんですね。
(就業規則・賃金規程に文句を付けられなかったのが、相当気になったようで。顧問料とは別に、報酬をいただいていますから、規程類の見直しで。)

長時間労働の相談があるたびに、改善&是正の提案とお願いをしていましたが、諸事情から、なかなか前に進みにくい状況…。

今回の臨検が、企業様を良い方向に導くものにするよう、そう考えるしかありません。


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