生活保護受給者/年金請求、社労士が代行

11月20日付、朝日新聞大阪版の夕刊に記事が掲載されましたが、今現在、社会保険労務士会からメール、郵便等で連絡はありません。

まあ「浮いた年金5000万件」の時も、事後決裁のような形ですが、幹部が協議、決済、承認、報告をきっちりやっていただかないと、周囲の方から聞かれて困るのは、私たちのようなヒラの社会保険労務士です。

現場のことも考えて欲しいものです。

以下、朝日新聞の記事から。

生活保護受給者の年金請求を社労士が代行へ 大阪市
2007年11月20日

 大阪市は12月から、権利があるのに年金を受け取っていない生活保護受給者について、社会保険労務士に年金の請求を代行させる。年金の受給権があることを知らないケースも多く、年金受給を進めることで生活保護費への財政支出を抑える。生活保護費の負担増に悩む自治体の一つのモデルケースともなりそうだ。

 大阪市の05年度の生活保護費は、政令指定都市で最も多い2212億円。今年度予算も2320億円にのぼる。

 生活保護世帯では高齢者がいる世帯が多い(07年9月で50.3%)ことから、04年度から年金資格があるかどうかを調査し、ケースワーカーが本人の年金請求を支援してきた。その結果、新たに年金を受け取った件数と生活保護費の削減額は、04年~06年度の3年間で、老齢年金や厚生年金の脱退手当金など計579件、約3億4500万円に上った。年金が生活保護受給額を上回ったケースもあった。

 ただそれでも、06年度は812件の受給権が確認できたのに、実際の請求は約7分の1にとどまっていた。受給権者が入院していたり、体が不自由で手続きに行けなかったりして請求できないケースが多かった。ケースワーカーは担当する生活保護世帯が多く、年金請求の支援に十分な時間が割けない現状もあった。

 このため、市は「現場での処理能力に限界がある」と判断。業務として請求代行できる社労士に応援を頼むことに決め、大阪府社会保険労務士会と覚書を交わした。

 入院中など本人が社会保険事務所に行って請求できない場合に、ケースワーカーが同席して社労士が面談、本人が社労士に請求を委託する。請求書の作成や戸籍謄本、住民票など必要書類の提出が円滑になると期待されている。社労士には請求1件につき3万円程度を支払うが、必要経費として収入認定から控除されるため、本人に負担がかかることはないという。

 《生活保護世帯と年金受給者》 全国の生活保護世帯は06年度月平均で107万5820世帯で、05年度の保護費は約2兆6千億円。会計検査院は昨年度、20都道府県の受給者約6万4千人について調べ、376人に年金受給権があり、計3億4140万円の生活保護費の削減につながると指摘している。