社会保険・雇用保険に、未加入者を遡及加入させる

【社労士開業予備校では、実務に役立つ情報を提供します。】

社労士開業予備校の修了生さんから、怪しいご相談。
「実は、顧問先で、社会保険と雇用保険の未加入者がいまして…。」

ここから下は、社会保険労務士法上問題になる内容を含んでいますので、気になる方は読まないようにお願いします。 とくに、「社労士開業予備校なんて、受講しても、意味ないでしょ」と思ってる貴方!

修了生さんによると、企業情報は、、、
●従業員数は、100名に満たないが、結構多い。
●いわゆるフルタイム勤務者が多い。
●社会保険・雇用保険の未加入者は、全体の2割。
●以前の顧問社会保険労務士の指導が、未加入者を生んだ?
●修了生さんは、去年の○月から顧問契約締結。契約と同時に加入者チェックで分かり、指導を続けたが…。
という状況らしい。

既に、周りの社会保険労務士仲間に話しをしたが、「皆言うことが違う」。当たり前でしょうね、自分のことじゃ無いので。問題を抱えたまま、年越ししてしまったので、今回の私への相談になったとか。

いくつか選択肢はありますが、現実的なものは?

  1. 法律通り2年遡り、遡及加入。玉砕(顧問契約解除)しても、それは本懐のはず。
  2. 今月から加入手続きを取る。調査とか、退職あっても、知らんけど
  3. 自ら玉砕する。

遡及分の被保険者負担分の保険料も、本人同意があれば、いけますが。まあ、非現実的でしょうね。保険料を徴収していなかったので、雇用保険も2年の遡及が限度です!

ところが話しを進めていくと、いくつか分かった点が。
社長としか話しをしていなかった(事務の担当者らしい担当者はいない)、未加入者の一部は加入自体に反対していると社長曰く(よくあること)、未加入者は最長10年勤務者も。

今、顧問社会保険労務士としてできること
●未加入者対象に説明会を開催
●加入手続きを取る旨の同意(本来必要ないものですが)
●会社に法違反リスクを与える者は、申し訳ないが…

ただ、私が修了生さんに提案したのは、上記の1、2、3のどれでもありません。もっと現実的な策を提案、そう法令違反になるようなことは現実的な策ではありませんから提案しません。社会保険労務士会の懲戒処分の対象になるようなことを言えません。等々分かった上で、上記の説明会を開催、その後はケセラセラ~。

公共職業安定所、年金機構・年金事務所との調整も必要です。書面については、ネットに書いてあることより、担当の役所窓口で聞くのが一番です。もちろん、調査対応はイヤですよ、こういう企業様だと。賃金台帳とか出勤簿とか、まともにあるんでしょうか。

あれっ、社会保険労務士法で問題になるのって、「今月加入」だけか。前の顧問社会保険労務士さんに責任取ってもらえるなら、それが良いんでしょうけど。

その後の結果報告はありません。
まあ、「便りがないのは、良い便り」。



※内容が内容ですので、かなりボヤッと、デフォルメした記事にしています。修了生さんの顧問先様だけでなく、未加入者を抱える企業様、企業様のご担当者様が読んでいないことを祈ります。


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