連合会への提言

開業社会保険労務士の登録には、事務所要件

提案理由

1.個人情報やプライバシー情報を多数扱うため。
2.コンプライアンスのため。
3.隣接士業である税理士や行政書士には、事務所要件があるため。

1.に関しては疑う余地もないでしょう。今年の10月にはマイナンバーの個人宛通知が始まり、平成28年1月にはマイナンバーの利用使用が始まります。

2.については、後述します。

内容

事務所要件とは何か?
そう言えば、以前、連合会では事務所要件が検討されていたように思いますが、消えてしまったのでしょうか?

事務所要件については、税理士さんが登録されるときの情報が非常に参考になります。行政書士さんは、大阪府行政書士会の情報は拾えたのですが。

簡単に書くと、次の通りです。
1)事務所として使用できる場所なのか
2)事務所として使用できる権原は何か

公営住宅、分譲マンション、戸建ての持ち家、賃貸アパート、親の持ち家などで「社会保険労務士事務所」を開設できるのか。
分譲マンションなら管理規約に違反していないか・管理組合の許可を得ているのか、賃貸アパートなら大家さんの許可を得ているのか。分譲マンションは自分所有であっても、事業用に使うためには通常許可を要します。

コンプライアンス、労働コンプライアンスと叫んでおきながら、住宅用に購入または借りているものを契約やルールを無視して事業用・事務所用にしていいのでしょうか。

戸建ての持ち家であっても、事務所の動線と家族の動線が交わらないよう考えているのでしょうか。

派遣の許可申請をするとき、必ず事務所要件のチェックが入ります。あれと同じです。人材紹介も、よく似ています。調べていると、宅建業をするにも事務所要件が必要なんだそうですが、まあ、事業をするのですから当たり前といえば当たり前です。

税理士さんが開業として登録の際のチェックは非常に厳しいようです。サイトを確認すると「こんなに必要なの?」と思いました。実際、うちの合同事務所でも審査が大変でした。

効果

当たり前のことをやっているだけです。
コンプライアンスの問題もクリアできます。契約違反・約束違反も問題でしょう。「言葉狩り」をする前に、しなければならないことがあるはずです。

住居用に借りた、公営住宅やアパートで開業することはできなくなりますので、「思いつき」での開業はおそらく減ることになります。開業するためのハードルが1段上がりますので、真面目に社会保険労務士事務所を事業として見ることのできる方だけが開業に踏み切ることでしょう。

個人的な感覚では、現状の開業者の3割は事務所要件を満たしていないように感じます。

と、書きつつ、行政書士さんの現状を見ていると、ウーンとうなってしまいそうです。行政書士登録の際は、毎回実地調査もあり、キャビネットの鍵や金庫までチェックされます。

社会保険労務士法の「非社会保険労務士との提携禁止」にも少しは効果があるのでは。

SRP

社会保険労務士には、SRP認証制度(社会保険労務士個人情報保護事務所認証制度)があります。

連合会のやり方にケチを付けるわけではありませんが、「事務所としての独立性もない」「事業用としての正当な権原もない」そんな事務所でも現時点ではSRPとして認証されています。

見直すべき点は、あると思います。
このSRP認証制度自体は良い発想ですので。

ご参考までに

「住居専用マンションの事務所使用」についてのウェブサイト(外部サイトです)

回答されている先生:山下・渡辺法律事務所 弁護士 渡辺 晋 先生

質問
住居専用マンションの居室を、税理士事務所の用途に使用している区分所有者がいます。 管理組合として、税理士事務所の使用をやめるように請求することができるでしょうか。
(月刊不動産 2013年02月号掲載)

回答は、上記リンクにてご確認ください。
(と書きましたが、お前は自分の金儲けのためだけに、こんな内容を書いているのかと思われないために・・・)

まとめ

開業者の事務所要件に関しては、すぐにでも登録時の条件にすべきだと感じています。既に開業している方でも、「今後」ではなく「経過措置」として、2年乃至3年と区切って、事務所要件のチェックをすべきでしょう。

開業者にとってのハードルが高くなることは間違いないところでしょうが、コンプライアンスを考えても個人情報・プライバシーを考えても、実行する時期ではないでしょうか。

「お前が合同事務所を運営しているから、儲けたいのか?」
そう言われるかも知れません。
ただ、きっちりする時代になったと感じます。
それに、運営する合同事務所で税理士さんや行政書士さんの登録のお手伝いをするまでは、「事務所要件」なんて考えたこともありませんでした。

コンプライアンスと言いながら、事務所の面では約束やルールを破って良いのでしょうか。

連合会・都道府県会にとっては、登録時の手続きが面倒になる?
税理士さんや行政書士さんは、やっていますよ。




2015年2月19日の提案
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